二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

ドカッと何かが藤蔓を横から襲った。


勢いよく倒れる藤蔓。



「煌っ」



やってきたのは、煌だった。



煌は倒れた藤蔓に狐火を投げつけた。



狐火が藤蔓を囲む。



逃げ場を失った藤蔓に、煌が近づく。



そして、藤蔓の目の前に手をかざした。



そのまま、煌はすーっと藤蔓の意識を奪った。



「ふう…なんとか間に合ったな。蘭! お前が守るっつったんだぞ!」



煌が蘭のことを叱った。



蘭はちょっと泣いてる。



あたしは煌のことをこちらに向けた。



「煌…なんで?」

「やっぱもう1日早く帰ろうと思って。ちょうど今日惺音が妖力戻る日だし、衛府にいるかなと思って来てみたらこのザマ」

「ごめん…」

「いや、間に合って良かった」



そう言って優しく笑ってあたしの頭を撫でた。



そのとき、騒ぎを聞きつけて衛士が何人かドタドタとやってきた。



「これは…」

「前にお前らに預けた野狐のリーダー。もう少し管理体制しっかりしてくれませんかね」



煌の言葉に衛士たちが気まずそうな顔をした。



それからあたしたちはすぐ大広間に通されて。



頭を下げて待っていると、また定毘古がやってきた。



「この度はご迷惑をおかけしてすまなかったね」



そう言いながらもおっとりとした表情の定毘古。



「藤蔓にはもう少し妖力を抜いたうえであと10年懲役を増やします」



その安定した物言いに、煌が眉を動かした。



「お言葉ながら、うちの主人はそちらの管理不足により藤蔓に命を狙われました。もう少しまともな謝罪はありませんか」

「お詫びと謝礼に…妖丹を用意しました」



定毘古はそう言って下っ端の衛士に妖丹を持ってこさせた。



そして、あたしたちに手をついて頭を下げた。