二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「イチャイチャする?」

「なっ…」



蘭がそんなことを言うので、あたしは蘭を下からアッパーするみたいに殴る。



「いたあーい…」

「冗談でもよくそんな不謹慎なこと言えるね!?」

「だって俺、親への愛情とかよく分からないんだもん…」



顎を抑えながら涙目でそう言う蘭。



はあ…。



「蘭があたしのこと大事に思ってくれてるように、煌にとってお母さんはすごく大事な人なの。その感覚、分かる? あたしたちは、とにかく菖蒲さんの無事を祈るよ」



あたしの言葉に蘭は静かにうなずいた。



それから3日が過ぎた。



未だ煌から連絡はない。



煌のいない屋敷はなんだか広々として見えた。



でも…その日の夜のことだった。



あたしは夜眠っていて。



≪…ずね、惺音≫



遠い夢の中…。



暗闇で誰かがしきりにあたしを呼んでいる。



その声は次第に大きくなり、そしてその姿も鮮明になった。



≪煌!≫

≪やっと会えた。久しぶり≫

≪えっ…今どういう状況…?≫

≪会いたすぎると相手の夢に出るって本当なんだな≫



えっと…。



ってことは、煌があたしの夢の中に忍び込んできたってこと…?



≪はっ!? えっ!?≫

≪ハハッ、そんな顔赤くして驚くなよ。お前に会いたかったんだよ、ずっと≫



煌はそう言ってあたしに近づいた。



そして、あたしの頬に両手を添える。



あたしはうろたえて目をきょろきょろさせてしまう。



煌はふっと笑ってからあたしの顔をそのまま上げさせた。