~惺音~
あたしが妖力を没収されてから1週間。
普段そんなに大きな妖力を使うこともないけど、飛んだりできないし地味~に不便。
でも一番大きいのは、妖術で人間の姿に変化してたから、妖力を奪われた今、人間界にいるにも関わらずあたしは九尾狐の姿…。
でも1か月も学校に行かないわけにいかないので、登下校中は帽子をかぶって長い髪を結んで尻尾をスカートの中に折りたたんで隠してる。
あと、厄介なのはこういうとき…。
「今日の体育の授業は高跳び! どれだけ妖力を使ってもいいから技を決めてみてね~。妖力をコントロールする練習にもなるから」
妖力を使う授業…。
あたしはそーっと手を上げる。
「すみませーん、今妖力ないんですけど~…」
それを言うと高笑いしてくるのはこの女。
「妖力の使えない九尾狐なんて聞いたことありませんわ!」
人魚姫の音琶…。
悔しい…。
本当だったらあたしの妖力に少しも及ばないくせに!
あたしの妖力がないのを承知してる先生はあたしの発言にうなずいて、「それなら普通に高跳びの練習をしてね」と言った。
というわけであたしは、みんなが自分の妖力で華麗に宙を舞って技を決める中、地味~に棒の上を飛ぶ。
そして普通に失敗…。
マットの上にドテッと背中から着地した。
すぐに煌が駆け寄ってくる。
「大丈夫か?」
「大丈夫…」
音琶が高笑いしてるのが見える。
何がそんなに面白いんだか…。
あたしが妖力を没収されてから1週間。
普段そんなに大きな妖力を使うこともないけど、飛んだりできないし地味~に不便。
でも一番大きいのは、妖術で人間の姿に変化してたから、妖力を奪われた今、人間界にいるにも関わらずあたしは九尾狐の姿…。
でも1か月も学校に行かないわけにいかないので、登下校中は帽子をかぶって長い髪を結んで尻尾をスカートの中に折りたたんで隠してる。
あと、厄介なのはこういうとき…。
「今日の体育の授業は高跳び! どれだけ妖力を使ってもいいから技を決めてみてね~。妖力をコントロールする練習にもなるから」
妖力を使う授業…。
あたしはそーっと手を上げる。
「すみませーん、今妖力ないんですけど~…」
それを言うと高笑いしてくるのはこの女。
「妖力の使えない九尾狐なんて聞いたことありませんわ!」
人魚姫の音琶…。
悔しい…。
本当だったらあたしの妖力に少しも及ばないくせに!
あたしの妖力がないのを承知してる先生はあたしの発言にうなずいて、「それなら普通に高跳びの練習をしてね」と言った。
というわけであたしは、みんなが自分の妖力で華麗に宙を舞って技を決める中、地味~に棒の上を飛ぶ。
そして普通に失敗…。
マットの上にドテッと背中から着地した。
すぐに煌が駆け寄ってくる。
「大丈夫か?」
「大丈夫…」
音琶が高笑いしてるのが見える。
何がそんなに面白いんだか…。



