二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「お前たち、惺音様にあまりにも無礼だぞ。態度を改めなさい」



蓮麻が改めて2人を叱った。



だけどあたしはそれを制す。



「いや、いい。この方があたしもやりやすい。もう背に腹は代えられないって分かったから…あたしはこの(ひと)たちとこれからやってかないといけないわけね」



あたしがそう言うと、蓮麻は安堵の表情になった。



それから、厳しい表情に戻して2人に言う。



「惺音様は、まだお若く、力も強すぎる。うまく制御できない分、無理をすればすぐに体を壊してしまう。2人が出来るだけ惺音様をお守りし、支えるのだぞ」



その言葉に、恭しく2人はうなずいた。



それを満足げに見た蓮麻はあたしの方を振り返った。



「それでは惺音様。惺音様は厳密には神ではないので、神使契約とはなりませんが…神使契約に同等の従者の契りをこの者たちと結んでください」



あたしはその言葉にうなずいて立ち上がった。



それから、大きく息を吸って、胸に手を当てる。



息を吸いながら、口元に手をやって、あたしの妖力の源である狐玉を取り出した。



全員じっとあたしのことを見ている。



普通の妖狐のそれよりも大きい狐玉は、赤い炎をまとっている。



あたしはまず煌の前に行き、煌の手を取った。



狐玉にあたしの妖力を送り込む。



赤い炎が気体となって狐玉からあふれ出る。



「吸って」



その言葉に、煌はその気体を一気に吸い込んだ。



すると、たちまちあたしと煌の左手の中指に稲穂が円形になったような紋章が刻み込まれた。



これが、従者の契りを結んだ証。



「これからよろしく、煌」



煌はあたしの言葉に、再びひざまずいた。



それから青蘭にも同じことをする。



青蘭の左手の中指にも同じ紋章が刻み込まれて。



不思議そうな顔をした青蘭にも、あたしは「これからよろしく」と声をかけた。



こうして、あたしたち3人の波乱万丈な主従契約が始まったのだった――。