二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音ちゃん…」

「何暗い顔してんの」

「だって…」

「あたし直接手出ししてないし多分そんな重い罰は下らないよ、大丈夫」



やっぱり大好き…。



そしてしばらくして衛府に着いた。



衛府では詮議室に通された。



俺と煌くんは後方で待たされる。



詮議室に入ってきたのは黒犬の妖。



背が高くて威圧感がある…。



「そこもとは御饌津 惺音で間違いないな」

「はい、そうです」

「ではただいまから詮議を始める」



詮議が始まったら俺たち神使はなにも口を出すことは許されない。



惺音ちゃんと詮議官の一対一のやり取り…。



「一介の妖に直接手を下したな」

「いいえ」

「今更何を言い訳するか。だいたいは調べがついている。こちらが聞きたいのは、一つ目が消滅した場所を検分したところ妖力がお前から出た物ではなかった理由だ」

「だから、私は直接手出しなんかしていません。妖力が私の物でなかったのならそれが証拠でしょう」

「ふざけるな! お前があちらの世界に一ツ目を連れ出し人間の娘を匿い妖紙により守を付けたのはこちらの監視システムですべて見た」



惺音ちゃん…。



詮議官は怖い顔で惺音ちゃんを見るけど、惺音ちゃんも負けじと睨み返してる。



「妖力は私の物ではありません。それは確実な証拠なんでしょう。いかにも私は一ツ目をあちらの世界に連れ出して、妖紙によるお守りも人間に持たせました。でも私が知るのはそこまでです。直接手出しはしていません」



惺音ちゃんの言葉に、詮議官はフーッと息を吐いた。



「もう良い。だいたい分かった。これ以上詮議をしても無駄だろう。詮議は以上とする。沙汰は追って下す」



その言葉に、惺音ちゃんは肩の力をどっと抜いた。



俺たちは詮議官が立ち去ってから惺音ちゃんの側に駆け寄る。



「大丈夫か?」

「大丈夫? 惺音ちゃん」



でも、俺たちの方も体の力が抜けているのが分かる。



さっきの詮議官、怖かった~…。