二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

次に莉子が目が覚めたのは俺たちの屋敷。



余っている部屋のベッドに寝かされた莉子は、目を開けて周囲をパチクリとさせながら眺めまわした。



そして、俺と惺音ちゃんを見て「わぁっ」と驚いた声を上げた。



「元気そうね」



惺音ちゃんが言った。



「えーっと…どこからが夢?」



莉子が困惑している。



「どこからも夢じゃない。朝起きたら莉子がいてあたしも驚いた」



そう、昨日気絶した莉子を俺は放っておくわけにもいかず、とりあえず莉子を抱えてこの屋敷に戻っていた。



でも施設に莉子の姿がいないと困るかなと思って、変化(へんげ)が得意な煌くんに頼んで今は煌くんが莉子に化けて施設にいる。



惺音ちゃんは昨日の消耗でぐっすり眠ってたから、今朝起きてから事情を説明して、そして今莉子もようやく起き出したってわけ。



「っていうか惺音ちゃん…お守り使っちゃってごめん…」



俺が言うと、惺音ちゃんが静かに首を横に振った。



「いいの、それより蘭も怪我したでしょ…。あたしのためにごめんね。医者呼んであげるから手当してもらいな」

「惺音ちゃん…」



惺音ちゃんって優しい…。



いつもツンツンしてるけどこういうところが女神様だ。



「まあもう莉子が狙われる心配もないし。もしかしたら神々にバレなかったかもしれないし~。あたしの妖力は使ってないし。それを祈ろう」



惺音ちゃんは爽やかにそう言った。



俺もそう願うけど…。



でもそういうわけにもいかなかった。



惺音ちゃんと莉子と3人で朝ごはんを食べているとき。



屋敷に人がやってきた。



メイドさんが慌てて食堂に走ってくる。



「衛府からの使いだそうです…」

「衛府の…」

「今すぐ衛府まで出頭するようにと」



俺は惺音ちゃんをハラハラした目で見た。



惺音ちゃんは覚悟を決めた顔。



「支度をしたらすぐに行くと伝えて」



その言葉に恭しく礼をしたメイドさんは来客にその旨を伝えに行った。