二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

≪ねえ…親いないってどんな気分? 寂しいって思う?≫

「…」



聞いてみたかった。



周りで親がいない(ひと)なんていないから。



惺音ちゃんだって、会えていないだけで親はいる。



お兄ちゃんだっているし…。



俺は、生まれたときから親がいないことが当たり前だから、あんまり辛いと思ったりはしない。



だけど親のいる人の話を聞くとたまに寂しく思ったりうらやましく思ったりすることはある。



そして惺音ちゃんは親のいない寂しさを俺よりも知ってる子。



俺が惺音ちゃんに惹かれてる理由の一つは、俺と似たそういう寂しいところもあると思う。



「親がいないのは…別につらいことじゃないよ。生まれたときからそうだったし。寂しいのは、親のいる人が楽しそうに家族の話をするときかな」



莉子から返事が返ってきた。



俺と一緒だ…。



俺と一緒の境遇で、俺と一緒の考え。



だけど俺には家族ができた。



大好きな惺音ちゃんと、大好きではないしたまに憎たらしい煌くん。



ご飯をみんなで食べたりする時間は『家族団らん』って言うんだな、って最近知った。



俺はいつまでもこの2人と一緒にいたいと思う。



莉子はこの施設を居心地が良くないって言ってたけど、莉子にとっての家族はこの施設の人ではないんだろうか…。



そんなことを考えていたら莉子が脱衣所から出てきた。



「ご、ごめんね…。お待たせ」



莉子がそう言って俺のことを抱えた。



「もう寝るけど…いいかな?」



俺はうなずく。



莉子と一緒に莉子の部屋に入ると、二段ベッドの誰もいない上の段に乗せられ、ぬいぐるみで隠された。