二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「何も変わった感じはしないけど…」

≪じゃあこれはどう?≫

「わっ、えっ?」



俺は莉子の頭の中に直接声をかけてみた。



莉子はびっくりしてきょろきょろと頭上を見てる。



俺はにっこり笑った。



「これが聞こえたってことは妖の力を手に入れたってこと。まあ惺音ちゃんくらいの妖力があれば普通の人間にもこれくらいできるけど。俺は妖の力を持った人にしかできない」

「す、すごい…。これ、あたしがやることはできないの!?」

「ん~、練習すればできるかもしれないけど、一晩じゃ無理だねえ」

「そ、そっか…」



莉子はがっかりした顔。



俺は笑った。



そして着いた莉子の家。



「ここが…莉子の?」

「うん」



莉子が照れたように笑った。



莉子の家は…『児童養護施設』と書かれていた。



人間界の知識を覚えてきた俺は、それがどんな施設か分かる。



「あたし、生まれたときから両親がいなくてね、ずっとここで育ってきたの」

「生まれたときから…」

「赤ちゃんポストっていうの? あれで預けられたんだよ」



赤ちゃんポストは知らないけど…なんとなくイメージはできる。



生まれたときから親がいないなんて、俺と同じだ…。



「でもあんまり居心地良くないんだよね」



莉子はそう言ってから俺を庭に招き入れた。



夜の施設は静かなもの。



そーっと中に入る。



莉子は庭の隅に隠れてしゃがみこんだ。



「もうすぐ消灯時間なんだけど…蘭くんを中に入れるわけにいかないし…どうしようかな」



そう言って考え込んでる。