二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

それから、もう妖力の使う体力のないあたしは幻涸の実を食べた。



まさかこんなにこの実がすぐに活躍するとはね…。



それから手の中に妖紙と呼ばれる特別な紙を出現させ、そこに指で『御身守』と書きつける。



それを小さくたたんで妖力をその紙に吹き込んだ。



そしてそれを莉子に渡した。



「ごめん、明日になったら神々に協力を要請するから…今晩はそれを肌身離さず持ってて。できるだけ肌に近いところで持つようにして。もしさっきの一ツ目が来ても、これを持ってれば一瞬で無に帰すことができるから」



あたしがそれを言うと、煌と蘭が驚いたようにあたしを見た。



「お前、それじゃあ…!」

「そうなったときに罰されるのは惺音ちゃんだよ!」



2人があたしを止めた。



だけどあたしは2人を制止する。



「だってしょうがないじゃない。あたしのせいで莉子が食われたらどう責任取るのよ」

「それは…」

「幸いにもこの幻涸の実で作った守り札だから、調べられてもあたしの妖力とは出てこない。それに賭ける」



あたしはそう言ってから莉子を見た。



「できれば今日はあたしの屋敷に泊まってほしいんだけど…」

「いきなりの外泊は…家的にちょっと…」

「そう…分かった。じゃあ、何があってもそのお守りは持ってて」

「わかっ…った」

「じゃあ…ごめん、あたしももうちょっと限界。帰るね」



そう言って席を立った。



煌と蘭が心配そうにあたしを支える。



「蘭、今晩はあんたが莉子の様子を見てて」



あたしは蘭に命じた。



「分かった…」



ちょっと不服そうだった蘭だったけど、しっかりとうなずいてくれる。



あたしは微笑みを浮かべてから煌に支えられて店を出た。



ああ、もうこんな弱弱しい身体、最低…。



でも今できる精一杯のことはしたつもり…。



あたしはタクシーに乗せられて屋敷まで戻った。