二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

あたしは蘭に莉子を任せてから、急いでもう一度妖の世界に戻った。



これでまたこっちに戻ってきてくれればいいんだけど…。



でも今度は来ていない…。



一ツ目の体からあたしの毛が離れたんだ…。



あ~…まじでやらかした…。



それにあたしも、度重なる行き来と、一度に5人も運んだことと、重ねて風邪によってコンディションは最悪。



ちょっとまた煌を連れて人間界戻るの、きっついな~…。



そう思ってたら、煌が、さっき和音にもらった幻涸の実を食べた。



「俺が戻す」



そう言って自分の尻尾の毛をあたしに渡して、自分の狐玉であたしを人間界に戻してくれた。



戻ると、蘭たちの姿はなくて。



一ツ目だけがまだウロウロとその辺を歩いている。



低級の妖は普通の人間には見えないから、こっちの世界で普通の人間に見られることはまずない。



それに、低級の妖の方も、人間の世界に来ても目はよく見えていないはず。



恐らく初めて嗅いだ莉子の匂いをたどって莉子のことを探していると思う。



スマホを見ると、蘭から『莉子連れて撒いてるところ』という文字と共に位置情報が送られてきた。



その場所に向かうときにはあたしはもうフラフラ。



「大丈夫かよ…」

「あたしが起こしたことだから…あたしが始末付ける」

「ったく…。ちょっと待ってな、我慢してろよ」



煌がそう言って周りに誰もいないのを確認し、狐の姿になってからあたしを抱えて近くの木に飛んだ。



それから木から木へと飛び移り…。



あっという間に蘭のところ。



蘭たちは近くのコーヒー屋さんにいた。



「ここだったら匂いごまかせるかと思って」

「頭いいね」



あたしが力なく笑うと蘭は心配そうにあたしを覗き込んだ。



「大丈夫? 顔色悪いけど…」

「大丈夫。それより」



あたしは莉子の前に座って莉子の顔を見た。