二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「これ…どこで…」

「し、惺音ちゃんがあたしと別れたあと…落ちてたから拾って…」



ま、まじ~…?



あたしはため息をつく。



多分あたしの後をつけてたんだろう。



これを持ってたから一緒に来ちゃったんだ…。



とにかくここは人間にとって危険な場所。



莉子を連れてすぐに人間の世界に戻らなきゃ…。



話はそのあと…。



でもそのとき、あたしたちより1.5倍くらいの大きさの一ツ目の妖怪があたしたちの近くを通った。



「ひぃっ」



驚いて声をあげた莉子の口を押えて路地に隠れた。



あの妖怪は人を食らう妖怪。



莉子の匂いだけでも相当危険…。



妖怪はきょろきょろと匂いのありかを探してる。



このままここであっちの世界に戻っちゃおう…。



も~…簪欲しかったのに…。



そのとき、「はっくしゅんっ」と、あたしはあろうことか大きい声でくしゃみをしてしまった。



やばっ…。



一ツ目がこっちの方を見る。



あたしは急いで狐玉を取り出してあっちの世界に戻った。



だけど…。



運の悪いことに、あたしの狐毛が一ツ目の身体に付着したみたい…。



一緒に人間界に連れてきてしまった…。



一ツ目はきょろきょろと周りを見渡している。



基本、ああいう低級の妖は知能も力もないし物理的に人間界に来ることは不可能。



だから人間はああいう妖に食われることもなく別々の世界で生きていけてるんだけど…。



やっちゃった…。