二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「せめて行くなら風邪治ってからにしろよ…」

「思い立ったら吉日だよ! 今日行くの!」

「ったく…わがまま姫…」



ブツブツ文句を言う煌のことを睨むとおとなしくなった。



「って…あれ?」



あたしたちは校門を出ようとしたところで足を止める。



明らかに人間の女の子がきょろきょろと学校の中を歩いてる…。



「どうしたの?」



蘭がその子に声をかけた。



その子は声をかけられてホッとした様子。



「あの…桐ケ谷女子高校って…ここですか…?」



その言葉にあたしたちは顔を見合わせた。



「違うけど…。ここは静ノ森学園。桐ケ谷は…一つ森を挟んだ向こうじゃない?」



蘭が丁寧に教えてあげる。



その子は明らかに落ち込んだ顔。



「もう~…一生たどり着かない…。どこ~…?」



そう言って泣きそうな顔をしてる。



蘭が困ったようにあたしを見た。



「案内してあげてもいい?」



しょうがないな…。



あたしはうなずいた。



「へっ? いいんですか!」



その子が慌ててあたしたちを見た。



「ありがとうございますっ! あたし、小西(こにし) 莉子(りこ)です! 皆さんは…」



あたしたちはそれぞれ一応名乗った。



その子…莉子は不思議そうな顔。



「変わった名字ですね…」

「まあね」



あたしは軽く返して桐ケ谷女子高までの道を歩いた。



道中、莉子は色々自分から話してくれる。



あたしたちと同じ高校1年生で、怪我で入院していて入学が遅れたらしく。



それで入学手続きをするために学校に行こうとしたけど、方向音痴だから場所も分からず歩き回ってたらしい。



だけど全然たどり着けなかったんだって。



あたしたちは方向感覚の優れた獣だから方向音痴とかの感覚は全然分からないや。