二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「だけど…なんであたしの誕生日知ってたの?」

「親父が昔から毎年『今年は惺音様のお誕生日に間に合わない!』とか『今年は当日に行ける!』とか大騒ぎしてたからな。そりゃ覚えるよ」

「蓮麻が…」



蓮麻がそこまであたしの誕生日のことを考えてくれてたなんて知らなかった…。



蓮麻なりに、一人のあたしのことを気遣ってくれてたんだ…。



「それにね、シェフさんたちやメイドさんたちも、俺たちが惺音ちゃんの誕生日を知らないと思ってわざわざ教えに来てくれて、『祝って差し上げて』って言われてたんだよ」



シェフやみんなも…。



あたしはみんなの顔を見た。



みんな優しい顔であたしを見てる。



「お前はみんなから愛されてるよ」



煌が優しくあたしにそう言った。



そうなんだ…。



今までずっと、あたしは天涯孤独で一人で生きるしかないんだと思ってた。



だけど、あたしの周りにはこんなにあたしを想ってくれる人たちがいた…。



「みんな…ありがとう」



あたしは涙を拭いて笑顔を作った。



「ネックレスしてみてよ!」



蘭の言葉にあたしはネックレスを着けようとする。



着けるのに手こずってたら、煌が手伝ってくれた。



時折触れる指にドキドキしたりなんてして…。



「できた」

「可愛い! 似合うよ~」



蘭がニコニコとあたしを見た。



煌も優しい笑顔で見てくれて。



そこに、奥からシェフがロウソク付きの大きいケーキを持ってきてくれた。



「ロウソク、消して」



蘭のその言葉に、思い切りロウソクを吹き消した。



部屋中が拍手に包まれて。



すごく幸せな音に聞こえた。



それからみんなでケーキやシェフたちが作ってくれた料理を食べて。



誕生日がこんなに幸せって知らなかった。



それを教えてくれたのは煌と蘭。



あたし、この2人のこと、ずっと大事にする…。



あたしの誕生日は家族を感じる忘れられない日になった。