二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

ったく…。



素直なのか素直じゃないのか…。



かわいいな…。



俺は惺音を引き寄せて軽く背中を叩いてやった。



それから頭にポン、と手を乗せる。



「別にクラスが違くたって一緒の高校生活は送れるだろ。隣のクラスだし。何より行き帰り毎日一緒だぞ? 飽きるくらいだろ」

「そうかな…」

「そうだよ」



俺の言葉に惺音は静かにうなずいた。



ふう…。



そのとき、惺音の後ろからドン、と人がぶつかってきた。



俺は思わず惺音の腕を引く。



「そんなところに突っ立ってたら邪魔ですわ」



そう言うのは、地味な顔の2人の男を従えた、ウェーブがかった紫髪の女。



胸元にピンクの真珠のネックレスをしている。



匂いが地上の者とは違う…人魚か?



その女は惺音の顔をじっと見た。



それからフンッと鼻を鳴らす。



「あなた、さっき入学式で稲荷姫の九尾狐と紹介されてましたけど本当ですの?」

「本当だけど…だったら何?」

「品性のかけらもないのね」



なんだこの女…。



いきなり喧嘩腰で絡んできて…。



惺音もかなりイライラしている様子。



「古くは由緒ある海神の血に連なり、すべての海の王の孫娘であるわたくしこそが代表に適任ですのに」

「おい、勝手なこと言ってんじゃねえよ」



俺は上からその女を低い声で呼んだ。



女が俺の方を見た。



「あら、こちらの殿方はどなた?」

「あたしの神使だよ!」



惺音の言葉に、女は大げさに驚く。



「まあ、神使がたった一人?」

「もう一人いるけど別クラスなの!」

「主人に合わせて勉強もできないなんて主人の器量が知れますわね」



惺音のイライラはマックスって感じだ…。