二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「パパとママと一緒に寝たければいつでもおいで」



パッと嬉しそうな顔に変わった。



それから惺音ちゃんが「一応」と俺と莉子の部屋をそれぞれ案内した。



住んでいた頃のまま。



綺麗に掃除をしてくれている。



「夫婦の部屋も別で用意したから」



そう言って新しい部屋も紹介してくれる。



大きい部屋に大きいベッド。



テレビもついてるしここだけで十分生活できちゃう。



「蘭様、莉子様。お戻りいただき嬉しいです」



顔なじみのメイドさんたちにそう言われて俺たちは嬉しくなった。



「遼太郎! あそぼ!」



翠ちゃんは遼太郎の良きお姉ちゃん。



今は10歳。



遼太郎に得意の変化術を披露して楽しませてくれたりする。



遼太郎には妖の世界のことも話して聞かせていて。



妖に対して親しみを持ってほしいから。



きっと大きくなって、俺たちが死んでも、惺音ちゃんや煌くん、翠ちゃんと繋がって行ってくれると思う。



子供たちが遊ぶのを見ながら、俺たちは居間でのんびりとした時間を過ごす。



なんだかこんな時間が懐かしくて幸せだ。



「蘭も莉子も、大人な顔つきになったね」

「老けたって意味?」

「まあそうとも言う」

「いいでしょ」



俺は笑う。



それだけの歳月を俺は人間として過ごしてきたということ。



顔に経験が刻まれるっていうのは嬉しいことだよ。



「惺音ちゃんたちは老けないねえ」



莉子がしみじみと言った。



「一生そのままなの?」

「うーん、100年後とかにはもう少し老けてるかも」

「100年後か…。そのときあたしたちは死んじゃってるね」

「死ぬなんて…」



でもそれは本当のこと。



惺音ちゃんたちを残して俺たちは死ぬんだ。