二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「翠ちゃん~、青蘭だよ~。言ってみて、『ラン』」

「生後5日だぞ…」

「今のうちから覚えさせるんだよ」



まったく…。



それから一日中目いっぱい翠を可愛がってくれた蘭たち。



元気よく帰って行った。



そんな翠との別れのときはすぐにやってくる。



「翠…元気でね…」



スヤスヤ眠る翠に話しかける俺たち。



これから翠は惺音の母親の元で養育される。



面会は月に一度。



俺が追放されそうになったことを思えばあまりにも軽い処分。



だからこれは受け入れないといけない…。



だけどやっぱり…こんなにかわいい愛娘を手放すなんて過酷なことで…。



「惺音様、煌。そろそろ」



俺たちがいつまでも翠の顔を見ていると、親父から声がかかった。



親父がこのまま翠を惺音の母親のところへ連れて行く手はずになっている。



俺たちは翠に最後の挨拶をして親父に翠を預けた。



「私がしっかりと責任を持ってお母上の元へお届けします」



親父ははっきりとうなずいて、翠を抱き屋敷から出て行った。



俺たちはその後ろ姿をいつまでも見ていて。



惺音の肩を抱いた。



「次は一か月後に会える。もう一生会えないわけじゃない」



そう自分にも言い聞かせるように惺音に語り掛けた。



惺音も黙ってうなずいて。



俺たちは翠の幸せで健やかな成長を祈り続けた。