二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

そして――。



季節は流れ、1年後、春。



俺たちの元に、待ち詫びていた子供がもうじき誕生する。



陣痛が始まり、親父の屋敷に呼んだ産婆。



普通の妖なら妖術で痛みをなくして出産することもできるのに、惺音の体は特殊すぎて妖術が効かない。



「もうイヤーっ」



定期的に叫ぶ惺音に俺はおろおろすることしかできない。



「煌、手! 手出して!」

「手?」



言われた通りに手を出すと、すごい力で握る…。



折れる…。



「いっ…」

「痛い!? あたしの方が痛いよバカ!」



ですよね…。



男は無力だ…。



「これに耐えたら俺たちの子の顔がついに見られるぞ?」

「うるさい!! 出てって!」



ごめんなさい…。



言われた通りに部屋から出てく俺。



最初の陣痛からもう20時間近く経ってる。



このままだと惺音が死ぬんじゃないかという不安も湧いてきた…。



それから部屋の前を落ち着かずウロウロ…。



さらに数時間後、「煌! なんでいないの!」という惺音の叫び声が聞こえたので部屋の中に急いで飛び込んだ。



惺音は半泣き。



「もう…やだ…」



乱れまくってる惺音の姿に心が痛む。



俺は惺音の手をそっと握った。



「大丈夫。俺が側で見守ってるから。お前は強いよ」



惺音がしくしく泣いてる。



俺は惺音の髪の毛を撫でつける。



握ってる惺音の手の力が強まった。