二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「でも、それでは稲荷神の神籍が不在に…」

「今の稲地神の神籍は保食神(うけもちのかみ)にでも与えなさい。あの方なら相殿で同じ社に祀られているから不足はないでしょう」

「しばし、しばし…」



神は冷や汗をかいた。



「稲荷神様を罰することはできません…。たしかに、稲荷神様のおっしゃる通り、この者たちは神でも神使でもない。神の子でありただの従者。それを…今一度再考いたしまする…」



その言葉にお母さんはふっと笑みを漏らした。



「頼みましたよ」



そして、あたしたちは改めて沙汰を考えるとのことで大広間から一度出された。



あまりにも急展開に、あたしは呆然とするしかない。



だけど…。



あたしは珍しく弱気。



誰もいない部屋で煌にそっと抱き着いた。



「煌…離れてかないで…」



いつもなら言えない。



だけど今言わないと死んじゃいそうで。



煌もあたしを抱きしめ返す。



「俺は…惺音の側にずっといる、どんな沙汰が降りても」



そんなこと出来るわけないのに、嘘でもそう言ってくれるからあたしは嬉しかった。



「お母さんのこと…信じていいよね?」

「ああ、今はそれだけを信じよう…」



そして、しばらく待って、あたしたちは再び大広間に呼ばれた。



お母さんも座っていて、でもあたしにはどんな表情か読み取れない。



「改めて、沙汰を下す」



神の一人が声を張り上げた。



あたしは思わず後ろにいる煌の手をぎゅっと握った。



握り返す煌の手も力強い。