二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

あたしが蘭のためにできること。



それはあたしの手で蘭を人間にしてあげることって分かってる。



だけどなかなかそんなこと決断できないよ…。



そんな中、蘭と莉子は受験シーズンに突入した。



「行ってらっしゃい! 頑張って!」



2人にお弁当を渡して送り出す。



莉子と蘭は違う大学を第一志望校にしてるけど、2人とも今日がその受験日。



上手くいくといいな…。



あたしと煌は学校がないので屋敷で適当に過ごす。



蘭の誕生日まであと2か月。



それまでに決断しないといけない…。



「惺音」



お昼を居間のソファでテレビを見ながら煌と2人で食べてたら、煌がふいに話しかけた。



「なに?」

「まだ決断できないか?」

「…」

「蘭のこと」



あたしはゆっくりうなずいた。



煌はあたしの肩を抱く。


「そりゃ決められねえよな…」

「うん…」

「でもさ…」



煌を見た。



煌は優しい顔をしてる。



「蘭は惺音の神使で、惺音は蘭の主人だろ?」

「そうだね…」

「蘭をその手で送り出してやる。それが惺音の主としての責任じゃねえか?」



煌はいつでもあたしの選択を尊重してくれるから、滅多に自分の意見を言うことはない。



だけどこうやって言ってくるくらい、きっとその想いは熱い。



分かってる…分かってるよ。



あたしは煌に返事をすることができなかった。