二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「蘭の将来を応援するってあたしは決めたから。これ以上あたしは何も言えないよ…」



そう言って寂しそうに笑った。



「ありがとう…惺音ちゃん」



俺も蘭に近づき、蘭の頭に手を乗せた。



「すごい決心したんだな、頑張れよ」

「煌くんも…ありがとう」



蘭は泣いた。



蘭も色んな葛藤があってこの決意を固めたんだと分かる。



だって妖から人間になるなんて尋常じゃない覚悟だ…。



蘭は泣きながら惺音を見た。



「それでね、惺音ちゃんにお願いがあるの…」

「なに…?」

「卒業したら、惺音ちゃんがくれた俺の誕生日に、惺音ちゃんの手で…俺を人間にしてほしい」



惺音は目を丸くした。



それから激しく首を横に振る。



「あたし…やだ」

「惺音ちゃん…」

「あたし、そんな自信ないっ。だって下手したら蘭を死なせちゃう…。それより…もっと力の強い妖を探す!」

「惺音ちゃん、お願い」



蘭はじっと惺音を見る。



惺音はまた目に涙を溜め始める。



「誰がやったって死ぬリスクはある。だったら惺音ちゃんの手でしてほしい」



惺音はなおも首を横に振る。



「それだけは…うなずけないよ…」



惺音は涙を耐えながら蘭から一歩引いた。



そのまま惺音は部屋に逃げて。



「惺音…っ」



俺は惺音を追いかけた。



惺音の部屋に入る。



「煌…」



惺音がこらえていた涙をあふれさせて俺の胸に顔をつけた。



俺はしっかりと惺音を抱いて背中をさする。