二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

俺はこの前考えたことを話した。



「俺、莉子のことが大好き。それで、人間のことも好き。命を繋いでその一つの命を大切にしていく人間のそういう姿…美しいと思う」

「うん…」

「莉子と一緒に歳を重ねるにも限界がある。そんなのも俺にとっては苦しいことでさ。人間になれたらって…考えてた…」



俺がそう言うと莉子が驚いたように俺を見た。



「そんなこと…できるの?」

「大きい妖力の持ち主…例えば、惺音ちゃんみたいな…そんな妖の力があれば、可能だとは思う…。失敗したら死んじゃうかもしれないけど…」

「そんなの…やだ」

「だけど…もし人間になれたら、一緒に生きていける」

「でも、それって蘭くんにとって大きく人生を変えちゃうことでしょ…。人生どころか、今までのアイデンティティも全部変わる…」

「うん、分かってる…」

「あたしのためにそんな大きな決断…してなんて言えないよ」



莉子…。



分かってるよ。



俺だって決めきれない…。



だけど莉子と一緒に生きていきたいと決めたなか、そんな大きな障害を背負って一緒に生きていくのも俺には苦しい。



それは莉子も同じでしょ…?



でも莉子は切なそうににこっと笑った。



「あたしなら大丈夫。その覚悟を持って蘭くんと一緒にいたいと思ったから」



俺は思わず莉子を抱きしめた。



俺はやっぱり覚悟が足りなかったんだろうか…。



それに、人間は俺たちと違って色んな人に恋をする。



もし莉子が別の人を今後好きになったとしたらどうする?



でも莉子とずっと一緒にいたいというのは本当。



俺、悩んでばっかだ…。



惺音ちゃんとは違う道を生きるという大きな決断をやっとしたと思ったら、今度は新しい壁…。



だって問題の大きさに気づいちゃったんだもん…。