二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

人間

～青蘭～

惺音ちゃんが暴走してからというもの、惺音ちゃんの力はますます増した。



それに、力も安定してて。



卒業後、俺の神使契約を切ると約束したものの大丈夫かななんて思ってたけど、俺なんてもういらないな…。



それはそれで寂しいけど…。



そんなある日のこと。



「１周忌？」

「そう、直美さんのね」



最近はもっぱら2人で受験勉強してる俺と莉子。



勉強の合間に莉子が、直美さんの１周忌があるから一緒に行かないかと言った。



「１周忌ってなに？」

「人が亡くなって1年後の命日に行う法要のことだよ。人間はね、人が亡くなるとこうやって定期的に法要を行って故人を忘れないようにするんだよ」



そんなのがあるのか…。



俺、人が死ぬのってどういうことなのかよく分からない。



妖の世界では死っていうのはそうそう起こるものじゃない。



でも、人間の世界ではそうやって亡くなった人の命を繋いで大切にしていくのか…。



俺は人間のそんな部分に尊さを覚えた。