二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

前にも説明したけど、ふつう、高級の妖は小さいときから人間と同じように人間の世界で暮らし、人間と同じ年月だけ学校に通う。



なんでそんな決まりがあるかというと、人間と妖の世界の均衡を保つためには高級の妖がそういう教養を持って然るべきだから。



それに、妖の世界には教育機関がないっていうのも理由の一つ。



だからすべての高級の妖は高校までは必ず人間の世界で育つし、人間と同じだけの知識を持つ。



でも青蘭は高級妖にも関わらず全く学校に通っていないわけだから、中学3年生までの知識が丸っとないわけで…。



これは困った。



あたしの神使としては、どうにか同じクラスになってもらわなきゃ。



だけどクラス編成試験まではあと1週間…。



あたしは蓮麻をこちらの世界に呼び寄せた。



作戦その1。



「蓮麻、莫大な寄付金でどうにか…!」

「静ノ森学園の学園長は公平な方。私も試みようと思ったことがありましたが、賄賂などでは心を動かしません」



ダメか…。



作戦その2。



「学園長をあたしの狐火で脅し上げる!」

「それをやれば青蘭はおろか、惺音様まで入学できなくなってしまいます…」



これもダメ…。



作戦その3!



「学園長に色仕掛け!」

「恥ずかしがり屋な惺音様にそのようなことができますか?」



うっ…。



打つ手なし…。



蓮麻が息をついた。



「私も青蘭の学力については失念しておりました。あとで必ず家庭教師を付け、どうにか惺音様の学力に近づけようと思っていたところ…あれやこれやとバタついて、すっかり…。かくなるうえは、真剣に青蘭に勉強を教えるしか手はありません」



あと1週間で…?



大丈夫だろうか…。



あたしと蓮麻はがっくりと肩を落とした。