二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音、こっち見て」

「うん…」

「本気でかわいいな、お前は」

「か、かわいくないしっ」

「目も耳も鼻も。全部かわいい。キスしてい?」

「だ、だめ…」



無視してキスしてくるんだ…。



甘くて深くて溺れちゃう…。



そんなあたしたち、進級してます。



クラスは去年から大きく変わった。



卒業後、人間界で暮らすか妖の世界で暮らすかによって分けられたクラス。



煌と蘭とは今年も同じ。



音琶と龍ヶ峰くんは妖の世界で暮らすらしく、ついにクラスが別になった。



音琶を嫁に迎えて妖の世界の龍宮城で一緒に暮らすって。



あのブラコンのお姉さんの元で音琶も苦労しそうだけど…。



まあどうでもいい。



それより、蘭との神使契約もあと一年ないと思うとあたしはそれがとても寂しい。



この一年は大切に過ごさないとね…。



3年生の授業では、人間界で生きていくための一般常識や、妖であることを隠して生きていく処世術などを学ぶ。



そうは言ってもあたしたちは幼いときからこの世界で暮らしてるから今更ではあるけどね。



蘭にはどれも新鮮な話のようだった。



「俺って卒業したあとどうやって生活したらいいんだろう…」



その日の放課後、蘭がぼそっとつぶやいた。



「屋敷で雇ってくれない? 執事とか」

「それじゃ神使契約解く意味がないでしょ」

「そうだよねー…」



人間界に残る妖の大半は、親の事業や土地を引き継いでそのお金で生活する。



だけど蘭は何もないもんね…。