二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音ちゃん! 目覚めたんだね!」

「蘭! 莉子! 教えて、何があったのか。あたしが煌のことを…みんなのことを傷つけた…?」



2人は黙ってる。



惺音はただ顔を抑えて泣いている。



「突然意識を失って…でも何か力が暴走するのを感じたの…。多分、あたしがみんなを傷つけた…」

「惺音…それは違う」

「違わないでしょ! あのとき何があったのか。食堂に行く!」



そう言って俺たちの静止を振り切って、ふらつく足で食堂に出た。



食堂の惨状を見て呆然とする惺音。



「これ…全部あたしが…」



呆然と立ち尽くした惺音は、それから、食堂に手をかざす。



「何して…」

「この部屋が持つ記憶を…あたしの中に入れた」

「そんなことできんのか…」

「やっぱりあたし…煌のことを…」



その場にしゃがみ込んで惺音はまた泣いた。



俺は惺音に目線を合わせる。



「いいか、よく聞け。惺音は何も悪くない。蘭のことも莉子ちゃんのことも誰も傷つけてない」

「煌のことは…傷つけた…」

「俺は惺音の神使だから。これくらいどうってことない」

「嘘つき…」



惺音は泣きながら俺の脇腹に手を当てた。



ゆっくりとその手を横にずらす。



みるみるうちに、俺の傷は治っていく。



「意識を失う最後、煌に抱きしめられたぬくもりをなんとなく覚えてるの…」

「…」

「きっと煌がいてくれたからあたしは途中でやめられたんだと思う…」

「そうか…」

「煌がいてくれて…良かった」



俺は惺音を力強く抱きしめた。



惺音の涙は止まらない。