二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

それにしても…。



蘭もこんなに重い進路を決めたというのに、あたしはまだまだ決められない。



妖の世界に帰りたい気もする。



やっぱり人間界は妖にとって窮屈な部分も多いから。



だけど、蘭も莉子もいるこの世界もあたしには大事。



それに、あたしを育ててくれたのは人間界だから。



ここに留まってもいたい…。



進路希望票を提出するまであと何日もない。



ほんとにどうしよ…。



そんなある日。



衛府から急に招喚があった。



煌と蘭を連れて衛府に行くと、いつも通り定毘古が出てくる。



「呼び立ててすまないね」

「いえ…」

「これまでに我々に何度協力してくれた?」

「何度でしょう…。龍王の連れて来た妖の捕縛も含めると10回近いかと…」



定毘古がため息をついた。



「さすがだね…」

「そうですか?」

「衛士でもない君たちがここまで活躍してくれるなんてすごいことだよ」

「…」



定毘古は何が言いたいんだろう…。



定毘古が落ち着いた顔であたしを見た。



「君は卒業後はどうするつもりなのかな?」

「えっ…」



今それを聞く!?



っていうか定毘古、あたしが悩んでるの知ってて聞いたでしょ…。



「いやあね、君に正式に衛府で働いてくれたら嬉しいんだけど、と思って」

「衛府で…」

「まだどうするか決めてないんだろ? 候補のうちの一つに入れてほしい。稲荷姫にこんなことを頼むのも忍びないのだけれど」



あたしは何も言えなくなった。



なんて返事をしていいかもわからなくて…。