二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

惺音ちゃんの部屋をノックする。



「はーい?」



部屋から出てきた惺音ちゃんは、俺と莉子の繋がれた手に視線を注いだ。



何か察した顔をした惺音ちゃんが俺たちを部屋の中に入れた。



部屋の中には煌くんもいて。



「惺音…ちゃん」

「うん」

「俺…俺ね」



上手く言葉にならない。



気が付いたら涙がこぼれてた。



「俺…卒業したら」

「…」

「惺音ちゃんの選択に関わらず…人間の世界に、残りたい」



そう言った瞬間、俺の涙は勢いよくあふれ出して。



莉子と生きていく決心と覚悟は決めたけど、それでもやっぱり切なくて。



俺に大切なものをたくさん作ってくれた惺音ちゃん。



その惺音ちゃんの神使でいられることが幸せだった。



惺音ちゃんは、泣く俺のことをそっと抱きしめた。



「大丈夫、大丈夫だよ、蘭」

「惺音ちゃん…」

「蘭の人生、あたしは応援したい。あたしの神使を今まで務めてくれてありがとう。蘭が自分の幸せを見つけたようで嬉しいよ」



惺音ちゃんが目に涙を浮かべながらにっこり笑った。



「ありがとう…惺音ちゃん」

「蘭、卒業するまでは、あたしの神使でいてくれる?」

「卒業してからも…惺音ちゃんが人間界に残るなら、俺は惺音ちゃんの神使だよ…」



俺がそう言うと、惺音ちゃんは静かに首を横に振った。



「あたしは蘭の将来の邪魔になりたくない。蘭が覚悟を決めてあたしにこうやって伝えに来てくれたことは分かってる。卒業したら、神使契約を切るよ」



それは、惺音ちゃんにとっても覚悟だと分かった。



惺音ちゃんは、俺のことを大切に思ってくれている…。