二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

莉子の存在がなければ、一も二もなく惺音ちゃんにただ付き従ってる。



でも俺には莉子も大事…。



いつの間にこんなに大事になってた…。



ていうかそもそも俺は、惺音ちゃんのことも莉子のことも抜きにしてどっちの世界で暮らしたいんだろう…。



妖の世界でずっと育ってきて、人間の世界では知らないことばっかり。



それでも、人間の世界が美しいことをたくさん知った。



俺は…。



何日も悩む日が続いた。



「煌くん…」



なんとなく煌くんと話したくて、煌くんの部屋に行ってみた。



「おお、蘭、どうした」

「俺とちょっと話さない…?」



煌くんは何の話か分かったような顔で、俺にソファに座るよう勧めた。



「煌くんが羨ましい…。将来のこと、全部惺音ちゃんに任せたらいいんだもん」



俺がそう言うと煌くんは笑った。



「ハハッ、そんな文句垂れに来たのか?」

「そういうわけじゃないけど…」

「確かに俺はまじで何も考えてないな」

「やっぱり…」

「俺はさ、生まれたときから神使の家系だから。それに子供のときから惺音に惚れ込んでる。俺の人生すべてが神使であり惺音なんだよ」



俺だって、惺音ちゃんの神使に心からなると決めたときから人生すべて捧げると決めてた。



その覚悟は並大抵のものじゃなかったはず。



それが今ではこんな風に悩んで…。



惺音ちゃんが人間界に残ると決めてくれたらこんなに悩むことはないのに…。



でもそうなったとしても時間の問題か…。



遅かれ早かれ俺が莉子と一緒にいることを選ぶか、そうじゃないかを決めないと、莉子の人生だって振り回されることになる…。



「まあせいぜい悩めよ。お前がいなくなっても俺が一人で惺音のこと守るから安心しな」



煌くん…。



本当にどうしよう…。



やっぱり莉子と話さないといけないのかも…。