二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

帰り道、惺音ちゃんたちがその話題を出した。



「惺音はどうするつもりなんだ? 俺は惺音の神使だから惺音に合わせる」

「ねー…どうしよ~…」



惺音ちゃんは…どうするのか決めてないのか…。



俺は、惺音ちゃんの神使なわけで。



惺音ちゃんをずっと守ると決めている。



でももし惺音ちゃんが妖の世界に帰ると決めたら…?



俺の悩みの種がまた増えた…。



莉子との将来についての悩みが抜き差しならないところまで来たような…。



「惺音ちゃん…」

「蘭、どうしたの?」



俺はその日の夜、莉子がバイトでいない間に居間にいる惺音ちゃんに声をかけた。



その場にいる煌くんもこっちを見てる。



なんか泣きそうな顔になってるかも…。



「惺音ちゃん、さあ」

「うん…?」

「将来…どっちの世界で暮らしたいと思ってる…?」



惺音ちゃんは一瞬きょとんとした顔をしてから申し訳なさそうな顔をした。



「そうだよね…蘭にとって、あたしの選択ってすごく重要だよね…」

「……うん…」



俺は素直にうなずいた。



「でも、俺の存在が惺音ちゃんの選択を邪魔することにもなってほしくないよ…」

「…蘭は、あたしの神使」

「うん…」

「だけど、あたしは蘭のことが大事だから。もし蘭が…あたしと違う道を選びたいなら。それも応援するよ…」

「…」



惺音ちゃんは寂しそうな顔をしながら笑った。



俺は涙が1滴こぼれる。



惺音ちゃんが続ける。



「ごめんね、今はまだ、人間界で生きていくか妖の世界に帰るか、決めきれない。あたしがずっと育ってきた人間界にいたいって想いもあるし、あたしのルーツである妖の世界に帰りたいって想いも両方ある。蘭は蘭で…考えてみてほしい…」



それは実質、惺音ちゃんの神使としての立場を選ぶか、莉子の恋人としての立場を選ぶかに等しかった。



そんなこと…俺は決められないよ…。