二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

「来週の修学旅行のしおり配るぞ~」



ホームルームの騒がしい時間、先生が声を張り上げてそう言った。



その言葉にクラスから歓喜の声が上がる。



そう、あたしたちは来週、修学旅行が控えてる。



行先は…妖の世界。



3泊4日で妖の世界を周ることになってる。



長らく妖の世界に帰ってない人も多くてみんなはそれも嬉しいみたい。



でも蘭は…



「俺、3泊も莉子に会えないの?」



と文句を言ってる。



しかも、主な行先に衛府や閻魔の政庁が入ってる…。



あたしにとっても全然新鮮味なくて楽しくない…。



人間の修学旅行みたいに京都とか沖縄とかの方が良かったな…。



「ねえ、この行先にある龍宮城ってもしかして碧くんの実家?」



蘭が龍ヶ峰くんに聞いた。



龍ヶ峰くんは苦笑する。



「そうみたいだな…。俺なんも聞いてないけど…」



へ~、龍ヶ峰くんの実家ツアーがあるんだ。



興味を持っていたら、それに反応したのは音琶。



「龍ヶ峰サマのご実家に行けるなんて、気に入られて今すぐ嫁になんて言われたらどうしましょう…!」



はいはい…。



楽しそうでいいね…。



そして修学旅行当日になった。



「莉子…電話とかもできないけど…元気で…」

「蘭くーん、寂しい…」



莉子と蘭、まるで今生の別れかのように抱きしめ合って…。



「ほら行くぞ蘭」

「あー、煌くんの鬼!」



煌が蘭を引っ張って家を出た。