二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~青蘭~

衛府にアランを引き渡して屋敷に帰ったのは夜遅く。



屋敷の中はひっそりと暗い。



煌くんがなぜか怒ってて惺音ちゃんを部屋に連れ込んでるのを横目で見つつ、俺はなんだか不思議に心が引かれる気持ちがして、先に寝ている莉子の部屋にそーっと入った。



莉子はスヤスヤと眠っていた。



月明りに照らされたその寝顔をじっと見る。



莉子がヴァンパイアに襲われて倒れたとき、気が気じゃなかった。



死んだらと思うと怖かった。



莉子が自分の血をアランに差し出そうとしたとき、すごく嫌な気持ちになった。



そんなことしてほしくないと思った。



この気持ちは…なんなのかな。



惺音ちゃんへの気持ちとはまた違った感情。



惺音ちゃんのことは大切。



だけど、莉子に対する大切にしたいという気持ちも…俺にとっては本物だ。



莉子のおでこにかかる髪をそっと払ってそのまま髪を軽く撫でた。



莉子が俺の方に寝がえりを打った。



そして、そっと目を覚ました。



「…えっ!?」



莉子が驚いて俺のことを凝視する。



「な、なんで!?」

「…勝手にごめん」

「う、うん…えっ? なに? 夢?」



莉子は状況が飲み込めてない。



「莉子の寝顔が見たかったの」

「…えぇ?」



莉子が訳の分からない顔をして戸惑ってる。



それから起き上がって部屋の電気をつけた。



「莉子さあ…」

「うん…」

「百合の瘴気毒に当たった時も寝込んでたし、今回も惺音ちゃんに間違えられてヴァンパイアに血を吸われたし…俺らといるとろくなことないよ?」

「…」

「俺らと一緒にいない方が…いいんじゃない?」



俺がそう言うと、莉子は俺の頬に手をやった。



その顔が涙目になる。