二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~煌~

惺音が心配で気が気じゃない俺。



あれから数日。



衛府に問い合わせてみると、莉子ちゃんが襲われて以降まだ被害報告はないらしい。



ヴァンパイアはどこに潜伏してるのか…。



そんなある日のことだった。



「もういつまでも警戒して歩くの飽きた!」



惺音が騒ぎ出した。



「あたし一晩屋敷の外に立ってる!」

「まじで言ってんのか!?」

「まじだよ! もうケリつける!」



一晩屋敷の外に立って自分を囮としてヴァンパイアをおびき寄せるらしい。



まじでそんなことしてほしくねえのに…。



一度こうと決めた惺音には逆らえない…。



さらに惺音はおびき寄せるためにわざわざ血を400mlも抜いてコップに入れた。



「そんな抜いて大丈夫か…?」



俺はハラハラとその血を眺める。



「人間じゃないんだしこのくらいじゃなんともないよ。相変わらず過保護」



なこと言ったって心配なもんは心配なんだよ…。



倒れんじゃねえかとか…。



だけど早めの夕食を食べた惺音は、俺の心配もよそに俺と蘭を従えてそのコップを持ち屋敷の外に立った。



惺音がコップに人差し指をチョン、と触れた。



血の入ったコップに波紋が広がる。



「なにやってんだ」

「匂いを遠くまで飛ばすよう術をかけた」



もう本気なんだな…。



俺はため息をついた。



陽が沈んでくる。



途中、蘭が椅子を持ってきて、惺音はそれに座って足を組む。



そこに、バイト帰りの莉子ちゃんがやってきた。