二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

「最近、市中でヴァンパイアが出没して妖たちを襲って血を吸っているらしい。まさかとは思うが、人間界に現れた際は捕らえるよう頼んだよ」



その日、あたしたちは衛府に招喚されていた。



定毘古を前に、あたしは首をひねる。



「なんで外来種が?」

「多様性の時代だからね」



さらっと答える定毘古。



そういうものなのか…。



ヴァンパイアは妖力はあるけどそれ以外は十字架や太陽など弱点も多く戦闘能力はほぼない妖と聞いている。



昔は西洋の外来種の規制は厳しく基本日本への出入りも許されていなかったはずだけど、近年はその規制も緩いらしい。



それにしても、最近のヴァンパイヤは輸血パックで凌いでるって聞いたけど…。



なんで妖を襲うんだろう…。



「新鮮な血を求めてるということだろう。輸血パックにも限界があるということだ」

「なるほど…」

「人間の血は妖の血に比べて薄い。人間界に現れることもないと思うが…よろしく頼むよ」



あたしは定毘古に両手をついて拝命した。



屋敷に帰るころにはすっかり夜も遅くなっていて。



帰ると夕食が用意されていた。



莉子はバイト。



夜遅くに帰ってきてみんなよりも遅い時間にご飯を食べるということもザラなので、今日もそういう日だと思い普通に3人でご飯を食べていた。



だけど…。



「あれ、なんか莉子遅くない?」



居間でのんびりしていると、蘭が部屋の時計を見ながら言った。



時間は22時。



いつもだったらとっくに帰ってきてる時間。