二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

じっと音琶の寝顔を見ていたら、音琶がゆっくりと目を覚ました。



「音琶!」

「皆様…」

「龍王一族は倒した。あんたの海も浄化したよ」



音琶は目をぱちくりさせて、やがて涙をこぼした。



あたしの手を取る。



「ありがとう…」



急にしおらしく素直な音琶にあたしもなんか照れちゃって。



「別に…」



なんてそっけなく返した。



「改めて…今まで無礼な態度を取って申し訳ありませんでした」

「…」

「わたくし…幼少の頃より常に一番であれと教えられてきましたの。だから、わたくしよりも優れているあなたに…劣等感を抱いておりました…。負けてはいけない、わたくしが優位に立たなければと常に…」

「音琶…」

「でも、そんなのはわたくしの独りよがりでした。今までの無礼にもかかわらずご迷惑をおかけして…恥ずかしいですわ」



そして、音琶はあたしに頭を下げた。



「お許しいただけるかしら…」



音琶が不安そうにあたしを見た。



「東風崎は、帝王学を学ぶために小さいときから親と離れて育ったんだ」



龍ヶ峰くんが付け足した。



「その寂しさからつい大きい態度を取るようになったんだと思う。分かってやってくれ」



音琶も、あたしと同じだったってこと…?



その気持ちは、あたしにも分かっちゃうよ…。



「はあ…」



あたしはため息をつく。



「そんな風に言われたら許さないわけにいかないじゃん」



あたしはそう言って笑顔を向けた。



音琶がホッとしたように笑った。



それから少しして、あたしたちに衛府から妖丹が届けられて。



これを飲むのも何粒目なんだろう。



すっかりあたしたちも衛府のアルバイトも身についてきたな。