二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音!」

「惺音ちゃん!」



煌と蘭が改めてあたしに笑顔を見せた。



そして2人であたしのことを抱きしめる。



「心配かけたね」

「お前が無事で安心した」



あたしは2人に笑顔を向けた。



それから紅柳をもう一度見た。



「紅柳」

「君のおかげで…目が覚めたような思いがする」

「そう…。自分のしてたことがバカだったって分かった?」



紅柳はうなずいた。



「昨日君に言われてから色々と考えていたんだ。自分の人生はなんなんだろうかと。父に手駒のように扱われ、義もなく、自分もなく、信頼する仲間もいない。無駄なことをしているんじゃないかと思い始めた」

「そのことに気づけただけでも良かったじゃん」

「君のおかげだよ。僕も…新しい自分の人生を取り返す」

「きっと罪の重さで言えば父親に比べてそう重くはないはず。罰が終われば何でもやってみなさい」



紅柳はにこっと笑った。



「で、あたしの狐玉、早く返して」



あたしは紅柳に手を差し出す。



紅柳は一瞬ふっと微笑んだ。



そして…。



んん…? って…ちょっと…。



紅柳は…あたしに…キスをした…。



体の中に妖力がよみがえる感覚を覚える。



「狐玉、確かに返したよ」



そう言ってまた微笑んだ。