二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

目が覚めると知らない天井だった。



外を見ると夜になっている。



あたしは昼間のことを思い出してガバッと起き上がった。



「お目覚めですか」



側に控えていた女中があたしの元に来た。



「その妖のお姿では元のお召し物だと窮屈だろうと、若君より仰せつかってお着替えをさせていただいております」



見るとあたしの服は制服から着物に変わってる。



っていうか…なんだか体が軽い。



何かが抜け落ちたような…。



まさか!?



あたしがサッと青ざめたところに、紅柳が顔を見せた。



「やあ、起きたかい」



あたしはその顔めがけて狐火を投げようとする…が…できない。



やっぱり…。



「気づいたかい。君から狐玉を奪ったよ。余計なことをされたら困るからね」

「返しなさい!」



あたしの怒号に紅柳は余裕の表情。



あたしは大事な狐玉を奪われて気が気じゃない。



「君は大事な人質なんだ。今逃すわけにはいかない。恐らく今頃父は衛府に捕まっていると思うが、君を交渉材料に父をきっと解放させる。そして君との婚姻も結ぶ。婚姻を結び君の身柄さえこちらにあれば向こうももう我々には手出しできない」

「ずいぶんと欲張りだね!」



紅柳がほほ笑んだ。



「威勢のいいお姫様だ。まあお腹も減っているだろう。まずは食事をしようじゃないか」



そしてあたしの体はふわっと宙に浮いた。



宙を浮いたまま、あたしの体が移動して、食堂の席に着かされた。



食堂に並ぶのは豪華な食事。



あたしのお腹が鳴った。



でも…。