二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音!」



煌が慌てて紅柳に狐火を放った。



「僕に手向かえばこの女を殺す」



紅柳は煌の狐火を跳ね返しながら言った。



そして紅柳はあたしの顎を人差し指でくいっと上げた。



「君、カワイイね。強い女は嫌いじゃない。僕のところに大人しく嫁に来るというなら命は助けてあげてもいい。この者たちも傷つけないと約束しよう」

「誰が…あんたなんかっ…」

「まだ動く口があるんだね」



そう言ってさらにギリギリと巻き付けを強くした。



苦しい…。



煌と龍ヶ峰くんが形勢を立て直して紅柳の隙を伺ってる。



だけどダメ、紅柳を倒してあたしを奪還しても龍王が次に控えてる…。



紅柳は強い。



これを倒してもなお龍王に立ち向かえる力が残ってるかどうか…。



絶望を覚えたそのとき、「惺音ちゃん!」と蘭の声がした。



声の方を見ると、蘭が衛府から援軍を引き連れてきたところだった…。



その数は相当なもの。



良かった…。



あたしはホッとする。



この数があればさすがに龍王も勝てるわけがない。



「龍王! 企みは暴かれた! 大人しく縛につけ!」



衛士の言葉は頼もしい。



だけど紅柳は援軍を見て余裕がなさそうな表情をしつつもニヤりと笑った。



「君は引き続き僕の人質だよ」



そして、瞬間、あたしと紅柳の体は周りから見えなくなった。