二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「御饌津…サマ…」

「なに? どうしたの?」

「わたくしを…わたくしたちを…お助けになって…」



そう言ってあたしの前に膝をついて頭を下げた。



突然のことにあたしは戸惑う。



あたしも慌てて音琶の目線に合わせた。



「頭、上げて。どうしたのよ急に」



音琶があたしの手を両手で握った。



その手は震えるほどに冷たい。



「わたくしたちの海が…龍王に…」

「龍王!?」



あたしは声を張り上げた。



音琶がうなずく。



そして、胸元のいつもしている真珠のネックレスを見せた。



いつも綺麗なピンク色だったそれは、黒に変わっている。



「わたくしの妖力の源は…わたくしの父が支配する海そのものなんですの…。それを真珠に変えてこうして持ち歩いているのだけど…龍王がわたくしの海を支配して…今、海がこうして死にかけているのです…」



そう言って音琶はさらにあたしに縋った。



「きっと今、襲われているのはわたくしの海だけではないはず…。御饌津サマ、今までの無礼を…お許しになって…。わたくしも厚かましいことを承知です…。それでも、今、頼れるのはあなたしかいない…。海を…救って…」



音琶はそう言ってからさらにその場に崩れ落ちる。



もう体力がないみたい。



龍ヶ峰くんが慌てて支えた。



「音琶…」



あたしも音琶のことを支えた。



こんな音琶を見て、何もしないわけにいかない…。



「音琶、分かった。あたし、行くよ」



音琶はあたしに弱々しく微笑んで、そして気を失った。