二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「龍王ってことは龍ヶ峰くんの仲間? 龍ヶ峰くんも龍だったよね」



あたしは煌に聞く。



でも煌もよくわからないみたい。



そんな矢先だった。



次の日、あたしたちは普通に登校する。



今日も音琶の姿はない。



龍ヶ峰くんは朝からやっぱり心配そう。



「龍ヶ峰くん…こんなときに悪いんだけどさ」

「なんだ?」

「龍王について…何か知ってる?」

「龍王?」



龍ヶ峰くんが眉をピクリと動かした。



「龍王は…俺らの親族」

「ほんと!」

「っつっても遠戚だけどな。龍と言っても俺らと違って向こうは八頭を持つ大蛇。俺らの一族と何かと張り合っていて、龍の一族の棟梁の座を狙ってる。龍王って言っても王は勝手に名乗ってるだけ。実際の棟梁は俺の親父だ」

「そうなんだ…」

「龍王がどうかした?」



あたしは昨日の話を龍ヶ峰くんにした。



龍ヶ峰くんは腕を組む。



「どこにいるかとか…知らないよね」

「知らねえな。本拠は妖の世界の土龍山(どりゅうやま)だけど…すでにそこは調べ済みだろうし」



そのとき、教室の入り口の方からざわめきが聞こえた。



あたしたちは思わずそちらの方に視線を向ける。



そこにいたのは…音琶だった。



「東風崎!」



龍ヶ峰くんが音琶の方に駆け寄った。



「大丈夫か? 何があった」



音琶の顔色は土の色くらい悪い。



歩くのもなんだかふらふらしている。



そして、いつも連れている神使たちもいなかった。



音琶が、龍ヶ峰くんに支えられながらあたしの方にゆっくり歩いてきた。