二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

それから俺は「これ、食べていいの?」とお弁当に箸を伸ばした。



「どうぞ!」



莉子のお弁当はおいしい。



特に卵焼きが最高。



ほどよい甘さの卵焼き。



「莉子って料理上手だったんだね。ブラウニーもおいしかったし」

「施設にいたときは直美さんが料理教えてくれてたんだ。施設を出てからも困らないようにって。まさか施設を出たあとシェフ付きのお屋敷に住むことになるとは思わなかったけど…」

「あはは、それも莉子が自分でしたことのくせに~」

「た、たしかに…」



突然莉子が「ここに住まわせて」って言ったときはめちゃくちゃびっくりしたし。



やっぱり変なところで行動力あるんだよな…。



莉子は強いんだと思う。



それから2人でお弁当を食べて、その辺を散策したりして過ごした。



夕方になって、近くに観覧車があったから莉子の希望で一緒に乗った。



夕焼けに照らされる景色はすごい綺麗で。



俺はそれに見とれた。



「莉子、綺麗だね!」

「そうだね…」



莉子のことをパッと見ると、莉子は俺のことをじっと見ていた。



「莉子…?」

「好きだなあ…」



俺を見ながらふとつぶやいて、涙を1滴こぼした莉子。



えっ!?



「り、莉子…?」



莉子はハッとして涙をぬぐった。



「ご、ごめんっ。なんか急に…」



莉子はそう言ったけど、涙は止まらない。



俺は思わず莉子に手を伸ばして抱きしめた。



「ら、蘭くん…?」



強い面を見せたり、弱い面を見せたり。



やっぱり人間ってよく分からない。



だけど今目の前にいる莉子の弱さに寄り添いたかった。



「涙、止まったね」



そう言ってにっこりと莉子を見た。



莉子の顔も、夕日に照らされて綺麗だと思った。