二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「自分からあんな風に誘っておいてなに緊張してんの~」

「だ、だって…デートなんて初めてなんだもんっ…」



焦る莉子が面白い。



俺も内心抱えていた緊張がほどけていく気がした。



「で? どこ行く?」

「あ、あのねっ、行きたいところがあって…」

「うん?」



2人で長いこと電車に乗ってたどり着いたところ。



「うわー! すごーい!」



あたり一面の花畑。



青い可憐な花が咲き乱れてる。



「これなんていう花? 見たことない」

「ネモフィラだよ。妖の世界にはないのかな」

「初めて見た!」

「好きな人とね、いつか見に行きたいなあって思ってたの…っ」



そう赤い顔で言う莉子になんだか笑みがこぼれて。



しばらくその景色を莉子と2人で眺めていた。



お昼の時間になって、近くのテーブル付きのベンチに腰を下ろした。



「お昼どうする?」



俺がそう言うと、莉子がカバンをごそごそと漁った。



そして、

「あたしがお弁当作ってきたの…!」

とお弁当箱を出した。



「ええ! いつの間に!」

「早起きして厨房貸してもらったんだ!」



そう言って莉子がお弁当の包みを開いた。



おいしそうな彩り豊かなおかずが顔を見せる。



「好きな人と一緒にお弁当食べるっていうのも…やってみたかったことの一つです…」

「アハハッ、今日は莉子の欲求を満たす日なの?」

「そ、そうかも…。蘭くんには迷惑な話だよね…」



そう言ってシュンとなった。



俺は莉子の頭にポン、と手を乗せた。



「いいよ、莉子がやりたいこと全部やろう」

「いいの!」



莉子の顔がパッと輝く。



相変わらず表情がコロコロ変わって面白い。