二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

昨日一日の煌と青蘭のよく分からない行動を忘れることにしたあたしは、たっぷり睡眠を取って、野狐退治に向かうことにした。



朝起きると煌と青蘭はすでに起きてて。



「おっはよ~。それともおそようかな?」

「野狐退治をすると息巻いてた割には遅い起床だな」



2人が口々に言うのであたしは2人を睨んだ。



2人はあたしの目つきにビビったのか目を逸らしたり口笛を吹いたり。



ったく…。



でも2人はすでに朝ごはんも食べ終わったみたい。



気合は十分ってわけね。



あたしが食卓に着くと、メイドが即座に朝ごはんを出してくれる。



あたしも急いでそれを食べて、着物に着替えて支度をした。



「さ、行こう!」

「仰せのままに」



2人を従えてあたしたちは閻魔に教えられた場所へ向かった。



野狐たちの巣窟はこちらの世界にあるらしい。



飛び降りて死んだ者が出たからいったんは様子見で何もしていないらしいけど、この様子じゃまたいつ悪戯しだすか分からないって。



「俺ら鬼ヶ島退治に行く桃太郎みたい?」



楽しそうに青蘭が言った。



「あはは、(きじ)の代わりに鸞、犬の代わりに狐、あと(ましら)でもいたら完璧だね」



あたしも軽く返す。



「豪華な桃太郎だな」



煌も面白そうにそう言った。



鬼ヶ島よろしく、野狐たちのねぐらは、山の麓にある大きな倉庫だった。



煌と青蘭があたしの前に出る。



「いい、断じて殺さないよう。下手すればこっちが罪に問われる。神々に引き渡して神々の裁きに任せる」

「了解」



その言葉を合図に、2人が倉庫を勢いよく蹴り飛ばした。



あたしたちは中に入る。



中には3人の若い男たちが重なり合うように眠っていた。



匂いでわかる。



こいつらは狐だ。



狐たちは、何が起こったのか分からない顔であたしたちを見る。



そして眉間に皺を寄せた。