二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「ありがと…」



惺音ちゃんから尾を受け取った俺は、それ以上なんて言っていいか分からなかった。



それから、俺たちは屋敷の庭に戻った。



「じゃあ…帰ろっか、あっちの世界に。こんな時間だし、野狐退治は明日にしよう」



そう言う惺音ちゃんは月明りに照らされて綺麗。



惺音ちゃんが俺を見て笑った。



「にしても、青蘭は世間知らずだね~。稲穂3本が本気であんたの尾と引き換えになると思ったの?」

「だって…そうしないと惺音ちゃん困るかなって…」



俺がそう言うと惺音ちゃんはキョトンとしてから笑った。



「あたしの神使としての務め、果たそうとしてくれて…ありがと」



それから少しうつむく。



俺はそんな惺音ちゃんが不思議で少し顔を覗き込んだ。



「べ、べつにあたしのところで働きたくないなら…無理にとは言わないんだけどさ」



惺音ちゃんの顔を見るといじけたような顔。



さっき閻魔に言われたこと…気にしてるのかな…。



惺音ちゃんが俺の顔を赤い顔で見た。



「でも…どうしたら本気であたしの神使になっても良いって…そう思ってくれる?」



一生懸命にそう言う姿に、胸を打たれたような気がした。



惺音ちゃんって、ただ怖いんじゃなくて…ツンデレみたいな、そんな部類?



なんだかすごくかわいく見えた。



この子のために本気で働いてみてもいいんじゃないかと思った。



俺は惺音ちゃんの前にひざまずいた。



そして、惺音ちゃんの手を取る。



「俺、惺音ちゃんのこと、気に入っちゃった」

「は、はあ?」

「今から最大限に、君のことを守るよ」



そう言って惺音ちゃんの手の甲にそっとキスした。



そしてにこっと笑う。



惺音ちゃんは顔をすごーく真っ赤にさせて、手を慌てて引っ込めて。



俺は煌くんに思いっきりはたかれた。



俺はヘラヘラと笑ってる。



新しい感情に、なんだかワクワクが止まらなかった。