二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

そして――。



1か月ほどして、直美さんは息を引き取った。



俺たちは直美さんの葬儀に参列して。



施設の人たちも集まっていて、みんな泣いていた。



莉子だけは涙をぐっとこらえていて…。



だけど、葬儀を終えた俺たち。



屋敷にみんなで帰った。



バタバタと着替えなんかをして、夕食の時間になったので食堂に向かうと、莉子の姿が見えない…。



「莉子は?」

「探してくる」



俺はそう言って屋敷中を探した。



莉子は…屋上にいた。



まだ寒い冬の屋上で、膝を抱えて号泣していて。



「莉子…」



俺は莉子の元にそっと歩いて莉子の隣に腰を下ろした。



「蘭くん…直美さんは、幸せだったよね?」



そう俺に聞きながらただ泣き続ける莉子。



「うん、きっと…幸せだった。莉子みたいな子に愛されて、幸せだったよ」



俺は、そう言って莉子の肩をそっと抱いた。



俺の肩に莉子は縋って声を上げて泣いた。



俺は、莉子の気が済むまで、ずっとそうして莉子を支え続けて。



俺にとっても知っている人の初めての死だった。



人間の儚さと、こうして泣くほどの愛の深さに、俺は打ちのめされたような気がした。