二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「莉子…ちゃん?」



直美さんが目を覚ました。



莉子の顔を見たあと、俺に視線を動かし、驚いた顔をする。



俺は慌てた。



「これは…夢?」

「莉子…直美さんの記憶、消すよ」



そう言って俺は直美さんに近づいた。



直美さんは怯えた顔で俺を見る。



「待って!」



直美さんに手をかざそうとした俺に、莉子が言った。



それから、莉子が直美さんに駆け寄って直美さんの手を取った。



「直美さん、大丈夫、怖くないよ。これは夢」

「本当…?」

「うん。あのね、ここにいる翼の生えた天使の蘭くんが、直美さんの病気を軽くしてくれたの」



そう言って俺のことを「ね?」と見る。



俺はうなずいた。



直美さんは信じられないって顔。



「本当に…天使さん?」

「本当だよ」

「それなら…お願いがあります」



直美さんが瞳に涙を浮かべた。



「私を…今晩だけでいい。施設へ連れて行ってくれませんか?」

「直美さん…?」

「もう一度だけ、子供たちの寝顔が見たい…。あの顔が私の何よりの宝なの…」

「でも…」

「お願いです。これを果たさなければ私はあの世へは行けない…」



莉子は困惑していた。



だけど、俺は直美さんのその想いに引かれるものがあった。



多分きっと、直美さんは施設の子供たちを死ぬほどに愛しているんだ。



それだけ他人に愛を注げるなんて…。