二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「和音―」



和音の祠に行くと、正月とは思えないくらいいつも通りの静けさ。



そこに、両手にお守りをいっぱい抱えた和音が現れた。



「おお、惺音。あけおめ」

「正月なのに暇そうだね」

「まあこんな祠に初詣来るやつなんかいねえからな」

「そのお守りはなに?」

「正月だし馴染み客に配ろうと思って作ってた。暇だからって作りすぎたわ」



そう言ってあたしたちに1個ずつほいっと渡した。



「それは瘴気とかに効くやつ。あんまりでけえ瘴気は無理だけど多少のなら吸収してくれる」

「こんなん作れるなんて和音も神だったんだね…」

「当たり前だろ」



だって和音って神らしくないじゃん…。



和音はあたしたちを見て首をひねった。



「いつもいるお前の彼氏の狐は?」

「煌は正月だから家族のところに置いてきた」

「ハハハ! それでこのチャラい鸞と2人きりでここまでランデヴーか」

「そんなんじゃない!」



和音の軽口にあたしは怒る。



蘭を見ると満更でもなさそうだ。



そんな表情しないでよ!



「それより香月さんは? 今日はいないの?」

「香月は実家。一応あいつも山神の子だからな。正月はなにかと忙しい」

「ふーん。子供は? いつ生まれるの」

「医者の話では2年後くらいだな」



神の子は子供を身籠っている時間が長い。



鬼が母体でも神の血が混ざってるからやっぱりそのくらいはかかるんだね…。



それから和音としばらく話してから蓮麻の屋敷に帰った。



蓮麻の屋敷ではそれから三日間お世話になって。



「お邪魔しました!」

「また待ってますね、惺音様、青蘭くん。煌もお勤め頑張って」



蓮麻と菖蒲さんに挨拶してから自分たちの屋敷に帰った。



しんとしている屋敷の中。



明日になれば莉子も従業員たちも帰ってくる。



新年も良い一年になりますように!