二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

歳神が見えなくなってから、蓮麻と菖蒲さんはあたしに笑顔を向けた。



「あけましておめでとうございます、惺音様」

「あけおめ…。昨日は迷惑かけてごめん」

「迷惑など…。突然眠られて驚きましたよ。惺音様が神の酒に弱いなどとつい知らず、こちらこそご迷惑おかけしました」



蓮麻の言葉にあたしは煌を見た。



あたしが酒に酔って眠ったことにしたのか…。



まあいいや…。



「本日はどうされますか」

「和音のところに挨拶に行ってくる」

「左様でございますか」

「正月休みを与えてるので煌は置いておく。正月だし家族ですることもあるでしょう」

「お気遣いいただきありがとうございます」



礼をする蓮麻にうなずいてから、あたしは蘭を見た。



「蘭はどうする?」

「俺も惺音ちゃんに着いて行くよ。家族の仲邪魔しちゃ悪いし」



蘭がそう言うと煌がむすっとした顔になった。



「俺も行く」

「いいよ、正月だからいろいろ客も来るだろうしそこに一人息子がいないとまずいでしょ」



あたしの言葉に、蓮麻もうなずいた。



「惺音様もこう言ってくださっていることだし、今回は甘えさせてもらおう」

「でも蘭と2人にしたら…」



そこまで言って、蓮麻と菖蒲さんの顔を見て煌は黙った。



煌がむすっとした顔のまま渋々うなずいた。



≪蘭と浮気するつもりか?≫



あたしの頭の中に煌の言葉が直接流れ込んでくる。



≪なわけないでしょ≫

≪ったく…。なんですぐ蘭と2人になりたがるんだか≫

≪別に2人になりたがってるわけじゃ…≫

≪とにかく、変なことされんなよ≫

≪されないよ!≫



というわけで、あたしは煌を置いて蘭と2人で和音のところに向かった。



煌はずっと嫌そうだったけど。



知らなーい。