二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

次に目を覚ましたのは朝。



え…昨日のことよく覚えてないんだけど何があったっけ…。



食堂に降りると煌と蘭が2人でのんびり朝ごはんを食べてた。



「やっと起きたか。この酒豪」

「昨日何があったっけ…」

「お前が酔っぱらって俺にくっついてこようとしてきてしょうがねえから意識奪った」

「は!? あたしがそんなことするわけないじゃん!」



あたしはとりあえず反論する。



「いい加減学べよ…」

「…」



ですよね…。



出雲のときもなんかやらかしたっぽいし…。



も~…恥ずかしすぎるんだけど!



「惺音ちゃんは酔っぱらうと素直な子になるんだね~」



蘭がニコニコと言う。



「普通のお酒じゃ酔っぱらわないんだけどね…」



昨日出されたのは神の酒だったか…。



「蓮麻と菖蒲さんは?」

「今、歳神が来てて客間で対応してる。俺らも挨拶行くか」



その言葉にあたしはうなずいて2人を連れて客間に向かった。



歳神とは、一年の始まりに家々に来訪する神のこと。



人間界では門松を飾ってそれを依り代に歳神がやってくるんだけど、妖の世界では依り代が不要だからこうやって直接やってくる。



客間に顔を見せると、みんなが一斉にこちらを見た。



蓮麻があたしたちを紹介してくれる。



「こちら、息子の煌と、その主人で稲荷姫であらせられる惺音様。そして、煌と一緒に惺音様の神使を務めている青蘭です」



あたしたちは歳神に挨拶した。



歳神が目を細めてあたしたちを見る。



「稲荷神の子でありますか。いかにも、お母上によく似ておられる。神使のお二人も頼もしき方々ですな」

「ありがたき幸せ」

「では、ご子息方のお顔も見られたことですし、私はそろそろ参ります。こう家が多くてはいくつ分身があっても足りない」



そう言って歳神が苦笑して立ち上がった。



あたしたちは歳神を慌てて見送る。



玄関先まで見送ると、歳神は丁寧に頭を下げて次の家へと渡って行った。