二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

蓮麻があたしの視線に首をかしげる。



「なにか?」

「あ、ううん! なんでもない!」

「そうですか」



それからあたしたちは客間に通された。



蓮麻の屋敷の庭に出たり、女中に頼んで車を出してもらうことはよくあるけど、家の中に上がり込むことはほとんどない。



それこそ煌が怪我してあたしも気を失ったあのときくらい。



菖蒲さんがお茶とお菓子を出してくれる。



「惺音様、うちの煌がいつもお世話になっております」

「世話してんの俺と蘭だけどな。怖いわがまま姫の言いなり」

「惺音様になんて口聞くの!」



菖蒲さんが煌を叱った。



あたしも煌のことをにらむ。



煌はあたしににらまれてそーっと目を逸らした。



菖蒲さんが次に蘭をニコニコと見た。



「うちの煌とは仲良くしてくれてる?」

「まあ…それなりに。たまに憎らしいですけどね」



蘭が言うと煌が「おい」と低い声を出した。



蘭は舌をぺろっと出す。



「久しぶりに煌とゆっくり話せて嬉しいわ。あなたあたしが百合毒に当たったときも怪我してうちで休んでたときも少しもゆっくりせずすぐ帰っちゃうじゃない。恋人でもできたの?」



菖蒲さんの言葉に、煌は飲んでいたお茶でむせた。



あたしもハラハラと煌を見る。



「別に…俺は惺音の神使だから早く惺音の元に戻りたかっただけ」



煌の返答に今度はあたしがむせた。



なんかその言い方もどうなの!?



疑われない!?



でも菖蒲さんは「それもそうね! 立派なお勤めがあるものね」と両手を合わせた。



「なんか…あたしのせいですみません…」



あたしはなんだか申し訳なくなって菖蒲さんに小さくなって謝った。



菖蒲さんは慌てる。