二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

それにしても…。



今年のお正月は一人で過ごさなくて済むんだ!



毎年あたしのお正月は一人寂しいものだった。



誕生日よりも嫌いな日だったかも。



誕生日は一応家には人がいるけど、お正月は屋敷にあたし以外誰もいないんだもん。



あたしは年末年始が楽しみになった。



そして、正月休みがやってきた。



莉子を送り出してから、あたしたちも荷物を持って庭に集まる。



「じゃあ行くよ」



その言葉で、あたしたちはあちらの世界へ行った。



いつもの蓮麻の屋敷の庭。



玄関から「ただいま」と煌がまず入って行った。



「おかえりなさい」



玄関では煌のお母さん・菖蒲さんが出迎えてくれた。



普段いる女中たちも今日は暇が出されている。



菖蒲さんとは、煌が怪我して屋敷で静養していたときぶり。



菖蒲さんは美しい白狐だ。



きりっとした顔つきが煌に似ている。



「菖蒲さん、お世話になります」

「いらっしゃいませ、惺音様、青蘭くん。来てくれて嬉しいわ。賑やかなお正月になりそうですね」



そう言ってほほ笑んだ。



そのとき、外に出ていたらしい蓮麻がちょうど帰って来た。



「これはこれは、惺音様。ようこそおいでくださいました。青蘭も、よく来たな」

「蓮麻、出雲ぶり。お母さんは元気?」

「はい、ご息災にしておられます」



あたしは改めて蓮麻をじっと見る。



そうか、あたしの元世話役のつもりで蓮麻のことを見てたけど、この人、恋人の親ってことになるのか…。



あたし、恋人の親にこんな偉そうにしてていいんだろうか…。